「いいゆめ・ゆし・きぶん。」

イラストレーター佐藤右志の脳内備忘録ブログ

一服旅の効能。

人間にはホントに一服が必要だね、旅は心のお薬だねって話をつらつらと。

 

えーと、先づは、私事ですが、いきなり情けない話をしてしまいます。

(なんか暴露しつづけてるなぁ(汗))

 

実は、今年の春頃からですかね、全くのスランプに陥りまして、絶不調でした。

 

ここ数年間、公私共々、休む間もないほど、怒涛のように色んな事が次から次へと我が身に起こりまして、ちょうど今年の春くらいにやっとその嵐がちょっとずつ落ち着き始めた頃、気分転換に久々に一人旅に出たのです。

 

そしたら、どうやら今までの緊張の糸が切れて、力が抜けて緩んでしまったんでしょう…旅から帰ったら、ここ数年蓄積された疲れとかが一気にドバッとでてしまいまして、心身ともに全くヤル気がでなくなってしまったんです。

 

ずっと突っ走り続けて、息切れしちゃったんでしょうね。完全にエネルギー切れ。

 

やる事も、やりたい事も目標もまだまだ一杯あるのに、体も心もついていかなくて、全然だめで、正直、かなり焦りました。

 

無理矢理予定をねじ込んだり、気持ちを鼓舞したりしながらなんとかこなしてはいたのですが、かえって空回りして余計疲れてしまったり、悪循環。

 

もう何をしても全くだめなので、ジタバタせずに、気持ちを切り替えてちょっと休んだ方がいいなと思い、頑張らないことにしたんです。

 

休むと決めたわいいのですが、やはり自分はつくづく日本人。基本、根が生真面目なので、周りが頑張っている中、自分だけが休んだり、誰かに頼ったり、甘えたり、だらけたり、期待に応えられなかったり、努力しない事は、怠けてるんじゃないかとか、いらない罪悪感を感じたり。

 

でも、やはり、ダメな時はダメ。もう開き直って、無理せずに、自然とヤル気が出るまで、必要最低限の活動のみにして、気にせずに休むことにしました。

 

生真面目な人間は、頑張らないことに不慣れなので、休むって結構勇気いりました。現実的に、経済的なことやら色々リスクもあるし、でもまぁそれもなんとかなるだろうと、最後は降参して、先ずはスッキリリセットしようと。

 

そんな訳で、今年は思い切って、もうひと緩み、秋にも一人旅にでてみたのですが、やっぱり旅っていいものだなと思いました〜。

おかげさまで、かなりリフレッシュできました。

 

旅に出ることは、自分にとって知らない場所、知らない人に出会い、非日常空間に身を置き、未体験を体験することを楽しんで心身をリフレッシュするよい機会になりますが、

今回の旅は、あえて、あくせくと予定を詰め込まず、船に乗ってボンヤリと海を眺めたり、お遍路さんみたいに、のんび〜り島の自然の中を歩いて過ごしたりしました。全く派手派手しい旅ではなく、旅先の、当たり前にある自然を味わいながら、普通の日常生活を営む住民のみなさんとあたたかな交流をしたりと、とても素朴な旅になりました。

 

もちろん、アートを巡ることを柱に、「これをしよう」とハッキリした目的も多少はあったのですが、おもしろいことに、そういうことに限って、頑張って動いたことの大半は、結果的にほとんど空振りましたね。(まぁでも、気がすむまで悪あがきできてよかったですが(笑))

 

こう書くと一見、残念にも思えますが、今思うと、「とりあえず、これで実は良かったのかもな」と、割りと納得がいっていることばかりです。でも、やっぱり会いたかった人に会いたかったなぁー!行きたい島にいきたかったなぁー!(まだ悪あがきする)

 

もともと旅の醍醐味って、「行き当たりばったり」とか「偶然性」だったりするから、そういう意味で、起こった出来事、体験したことを良し悪し抜きに総すると、結局は、すべて「これでよし」に落ち着きます。

 

それにしても連日晴れて、ポカポカ陽気でした。有難いことに、とことん、お天気に恵まれましたが、人にも恵まれました。

 

テクテク長い山道を歩いてたら、住民のおばちゃんが車に乗せてくれたりしました。

民泊先のおうどん屋さんのおじいちゃん家は田舎に帰ったみたいに居心地よくて、おふとんがふかふかでぐっすり眠れました。

翌朝、おばちゃんが用意してくれた朝ごはんのしっぽくうどん、メバルの甘酢漬けがサイコーに美味しかったです。灯油ストーブでコトコト煮たという昆布の煮物、作り方教わったからお家で作ってみようと思います。

次の日の民泊先の製麺所のご夫妻さんも優しかったなぁ。翌朝、おじちゃんが軽トラでフェリー乗り場まで送ってくれました。同じくここで民泊していた韓国人の男の人が「犬島休みだよ」とずっと気にかけてくれていたらしく教えてくれたり、なんかみんな神様レベルの優しさだった〜(泣)

 

本当にみんなさりげなく優しくて、あったかくて。自分も素直に遠慮なく甘えさせてもらって、ごく普通の日常生活にすんなり馴染ませていただいて、たくさんお喋りをして、すっかり和んで懐いてしまいました。今回は民泊して大正解でした。

 

一期一会のこういう出会いがあるからこそ、旅に出たくなるんでしょうね〜。

このまま一期一会に終わらせたくないなぁと思えたのもまた、そんな自分の気持ちが嬉しかったり。また必ずみなさんに会いに行きたいです。

 

それにしても、最終日にちょっと奮発して、海辺の町の海が一望できるステキなホテルに泊まったのですが、その夜に、ふと、バルコニーから見上げた星空がびっくりするくらい綺麗で本当に感動しました。

あんなに綺麗な星空を見たのはいつ以来かな?夜空はあんなにも漆黒で、星ってあんなにも水平線ギリギリまでたくさん瞬いていて、あんなにも強く光を放っているんだなぁってことに、ただただ感動して、ずっと眺めていました。

星座の形が全部ハッキリわかるんですもの!毎度ガスった都心の空ではありえません。

 

翌朝、水平線から海を赤く照らしながら昇る太陽の光が、とても眩しくて、そのうち昇った太陽の光が波間をキラキラ滑るように照らす様子があんまりにも綺麗だから、このままずっと時間が止まってしまえばいいのになぁ〜と、思いました。

 

本当に、いつでも、自然にはかないっこないですね。

 

ちなみに、このホテルはホントにすてきでした。ギリシャみたいなコントラストの海の青に映える真っ白なホテルで、館内は隅々までいちいちオシャレでした。お部屋もゆったりくつろげて、夜の料理も美味しかったし、民泊とはまた違った豊かな時間を過ごせました。

 

こんな美しい景色を、毎日のように眺めることができる、この町の人は幸せだなぁ、羨ましいなぁと思いながら、この景色を見られただけで本当に旅して良かったな、きて良かったなと思いました。

 

なんか、思いがけず、全く知らない人や景色から沢山エネルギーもらって、助けられて、癒された旅でした。あらためて旅先で出会った人たち、自然に感謝します。

 

さて、旅から戻り、いつもの日常にもどりましたが、街中は、いつの間にやらハロウィンも終えて、すっかりクリスマスモード。世の流れはホント先取りで早すぎるよ…(汗)

 

年末になると、急に時間の流れが早くなるけれど、私はこれからも、無理せず気負わず焦らず、マイペースに、色んな人と一緒に楽しく関わりながら、活動していきたいなぁ〜と思っているところです。

 

そうだな、旅でみなさんと交流したみたいに。おかげさまで、だいぶやる気がわいてます。今月から、またコツコツ作品作り始めたいなと思います。