(この文章は2016年1月に書いたものです。)
今日は成人の日ですね~。
成人式を迎えられる20歳のみなさん、御目出度うございます!
そんなわけで自分の成人の日を思い出しながら、成人って何だろうと想いを馳せてみよう。
そうそう、自分の成人式は関東地方に稀に見る大雪が降った年でした!なので、成人式には参加せず、一日中雪掻きしてましたね…(ーー;)
お着物汚しちゃうし。って、実のところはその着物さえ買っても借りてもいなかったんですけど(笑)
雪が降っても降らなくても、私は最初から式に参加する気がなかったんです。
…ナゼかというと、、、
その頃の私は、学生でも正社員でもなく世間でフリーターと呼ばれる立場に身をおきながら絵を描いていて、まだ何者にもなれていない自分に言い様のないコンプレックスだらけで、学生生活を謳歌しているであろう同窓生たちの中に混じって、
「今どうしてるの~?元気だった~?着物かわいい~!」
などと無邪気に進捗状況を語り合う気になど全然なれなかった(汗)
それに、あの頃の私には、何をもって成人なのか、年齢だけで形だけの成人式に参加する意義や意味が単純に全然わからなかったのでした。。
目の前の生活を滞りなく営むため、雪掻きをすることの方がずっと重要で…
(ーー;)
そして現実は、職場で10も20も30も親程に歳の離れた「成人の大先輩達」に囲まれ働く日々の中、いつも「成人の先輩」達がつきつけてくる理不尽さに怒りばかりを感じながら、ひたすら悶々としていたのでした(笑)
そう、大人にもなりきれず子供にももどれない、何者にもなりきれない中途半端な自分の説得力の無さを日々突きつけられて、それでもいつも対等に立ち向かおうと精一杯背伸びをして、ずっとツンツンしてたなぁ。。
ははは~(^_^;)
あ、ちなみに、そんな理不尽さを日々私に教えこんでくださった「成人の大先輩」の上司を思い出したのがきっかけで書いたのが、昨年の「ショートショート豆本作ってきました~④」のサンタさんの話なのです~。
私が19歳~働いていた医療系の職場の上司のそのオッさんは、髪の毛が真っ白だけど名前は「黒○」さん。
若い頃は俳優志望だった事をいつも車で現場の移動中に聞かされ続け、毎年クリスマスが近づくと「クリスマスは苦しみます」という訳のわからない駄洒落を言い放ち、チームの責任者であるにも関わらず、仕事のミスをいつも下っ端の私に押し付ける無責任な人だった(笑)
その頃は、そのオッさんが心の底から大っ嫌いで。
だから私は悔しくて、その職場で嘱託社員になって、数年後絵の仕事を本格的に専念するために辞めてと猛烈に働くことができたのですが(爆)
そして、辞めてから数年後「黒○」さんの退職祝いに呼ばれて久々にお会いした時の事。
久しぶりに会ったにも関わらず、ツンツン生意気だった元部下の私の顔をみて喜んでくださり、その後お酒を飲み交わしながら、しみじみと「黒○」さんが、成人して働き始めた娘さんの事やご家族の事を、顔をほころばせながら嬉しそうに話す姿をみた時に、、、
大っ嫌いが大好きに、そして尊敬に変わっちゃった(笑)
不思議なんですけどね。
それと同時に、「俳優の夢をあきらめたくせに、仕事は無責任だった」なんて、なにも知らずに軽蔑していた若かりし頃の自分が恥ずかしくなったといいますか。。
「黒○」さんなりの「責任」を果たした大先輩の姿しかそこにはなく。
上司のいいとこもやなとこも全部、やっと私なりに咀嚼できたその瞬間、
「あ、今私ちょっとだけ大人になれたかな?」と思ったものです。
思い返すと、未熟な私は今までたくさんの「成人の先輩達」に胸をお借りしてきたなぁと。
その貴重な機会をなんども失敗して潰すこともありましたし、活かしきれず愕然とすることもありました。。
にも関わらず、何度も信頼してチャンスを与えてくださいました。胸を貸す方にもすごくリスクがあるのに。
今でもそれは変わらず。
本当にしみじみ、ありがたいことです。
逆に、何度も胸を貸しては一緒に泡食ってなんてことをしながら、(泡食ってないフリをしているが内実は超オロオロしてたり)胸を貸すことで成長させてもらったりね。
だから、成人式を過ぎた今の私的には、「成人の日」とはそんな風に胸を貸してくださったり胸を貸させてくれた、たくさんの方に改めて感謝して「自分の道を確認する日」としたいなぁ。
人は何歳になっても不完全で、その度に互いに胸を借りたり貸したりしつつ、それぞれの通過儀礼を通りながら、自分なりに「大人」を生きていこうとするものなのかもしれない。
去年よりはもうちょっと、気持ちよく胸を貸せる人に今年はなれたらいーなー!