生きることはせつないことだなと思う。
今、この瞬間に見た景色の美しさが、
永遠に続くように思えても、
砂がさらさらと崩れてこぼれ落ちていくように、
一瞬の出来事として瞬く間に消えていく。
握りしめた雪が、
掌の中で溶けて無くなるように。
本当はわかっているのだ。
この瞬間は二度とこないし、
どんなに愛着があっても
永遠に続くことなどないのだと。
そしていつの日か、
記憶の彼方に消えていってしまうということも。
だからこそその瞬間が、
いつでも宝石みたいにキラキラしているのだ。
今という瞬間を、
いつも大切に味わって抱きしめながら生きていけたなら、
きっと、それだけで十分なんだと思う。
一期一会のせつない星。
優しい、しあわせな星。
ゆめまぼろし。